ぴりかは、人にべたべたしない猫だった。
自分の世界をしっかり持っていて・・・。
あの、毅然としたところが、なんかステキだった。
人間にはわからない世界で、
猫にしか見えないものというのがあるんだよなぁと思ったとき、
いつも、彼女を人の都合で囲い込んでしまうことに疑問を感じた。
いつも、家から出たそうにしていた。
我が家という安住の地もあって、
外の世界もあって、
猫仲間もいたほうが良かったんだろうな
・・・そう思うことが何度もあった。
窓の多い家のせいか、彼女はいつも外を見ていた。
外の見える場所は、みんな彼女のテリトリだった。
鳥をみつけてはその姿を追って、
家の中をはしりまわり・・・
反対側の窓から鳥の行方を追ってみたり・・・
一度外の世界を知ってしまった猫にはこの環境は辛かろうなと・・・
外に出ようとして、ダメ!!と大声をあげる自分が正直辛かった・・・
なんだか・・・
社会の都合に合わない行動をとるという理由で
閉鎖的なところで暮らさざるを得ない人を見るときの気持ちがよみがえるというかな・・・
そんなこともあってか・・・
一緒に暮らす時間が積み重なるうちに、
私は、ぴりかに対して、
ぴりかに一番身近な異種の動物として、
申し訳ないという気持ちと責任感を深めていったような気がする。
戻ってきてほしいけれど・・・
それが本当に彼女にとっていいことなのか、
諦めて自由にさせてやりなさいという人の意見が正しいのか、
悩む気持ちは本当に尽きない・・・。