世に猫草というものが市販されている。
健康に良いとか書いてあるくせに、
どういう類の草なのか全く記述が無い。
知識を補うために、複数のWebサイトを参照したら、
正体は大麦若葉だということがわかった。
そして…
イネ科の植物は猫の体に合うということも理解できた。
イネ科かぁ…
それじゃ、芝と同じじゃん…
ん…?
芝と同じ?…!!
伸びすぎて困る猫草をどうしたものかと思ったが、
芝と同じなら短くカットすればすぐ生えてくるはずだと
気がついた。
さっそく刈ってみると、いやぁ…伸びる伸びる!
気を良くして「のびたらカット」を繰り返していたが、
回を重ねるごとに次第に色が薄くなってくることに気づいた。
日当たりの良いところに置いても、
そのモヤシのような風貌は一向に改善されず、
数日の後、伸びなくなって枯れてしまう。
そのたびにホームセンターやらへ行って出来た若葉を
買って来るのもいかがなものかと思い、
最近は自分で栽培している。
観葉植物としても悪くない。
ただ、「伸びるさま」が怖くなるほどにすごい勢いで、
発芽するときに土が持ち上がってしまうのを見ると、
なんだかキモチワルイ。
まるで、霜柱のようだ。
霜柱を見つけると、キモチワルくて
全部ふんずけて破壊したくなる。
そういえば …
…
…
…*…*…*…*…*…*…*…*…
子供の頃、国語の教科書に「麦踏み」の話が出てきた。
「植えた植物を踏んではいけない」というクセに、
麦は浮くから踏まなきゃならないというのだから、
合点がいかない。
麦は「おまんま」じゃないか。
踏んでいいはずがないじゃないか。
大人というものは本当にいいかげんというか、
都合のいいことしか言わないというか…
…*…*…*…*…*…*…*…*…
…
…
…
不連続に浮き上がった土の表面から、
オヤジの無精ひげのように顔を出している麦の芽をみながら、
ふと、麦踏みに感じた子供ながらの理不尽さを思い出した。
麦という奴は…
勢いあまって
ついはみ出ちまうような輩なのだな!
そう思うと、親近感が沸いて…
キモチワルイのも強すぎる個性の一つだと思うことにした。
それにしても…
子供の頃教わったことで、本当に理解できていることは
どれだけあるのだろうか?
大人になるにつれ…
「わかった気持ちになっているだけで、
実は何もわかっていないのだ」ということがわかってくるようだ。
しかし…
世の中でうまく生きていくためには、
むしろ、そのことに気づかない方が良いのかもしれない。
麦はおまんまだけど浮くから踏む…
それだけの知識で、40過ぎるまで生きて来られたのだから、
当時の学校教育も間違ってなかったってことだ。
おぉ…
猫草が昭和後期の学校教育にまで発展してしまった。
話まで勢いあまって脱線するのだから、
やはり、すごい勢いだ。
大麦若葉、おそるべし!