猫のいる生活

ぴりかが居なくなりました:捜索中

ぴりかが失踪してから3週間になります。
書くと本当に戻ってこなくなるような気がして、
ここに書くこともできませんでした。

失踪した場所は過疎で野生動物の多い地域です。
私の居住する地域から高速道路と一般道路を使って
ノンストップで3~3.5時間ほどの場所です。

連休前半、たまの休みに2泊のキャンプを・・・と
天候の悪さを押して、ぴりかを伴い出かけました。
4月29日のことです。

キャンピングカーから出すつもりは全くありませんでした。
本当に魔が差したとしか言いようがありません。
外に興味を持つぴりかに、いつもならダメと叱るのに、
このときはハーネス・リードをつけて抱いて出てみました。
それが事故につながりました。

ぴりかははじめはじっとしていましたが、
突然パニックになりました。
まさか、ハーネス・首輪が抜けるとは
考えてもみませんでした。

つかまえようとしたことがかえって彼女を驚かす結果になり、
彼女は藪の中に逃げ込みました。
必死で探しましたが、
日没間際に付近の笹薮の中で目が合ったのを最後に、
失踪してしまいました。
二度姿を見ましたが、
こちらに戻って来てはくれませんでした。

夜も戻ってきてくれるのではないかと、
見えなくなったところの近くにごはんを置き、
少し離れたところに自分も座って
ぴりかの好きだった歌を歌ったり、
ごはんだよと声をかけたりしてみました。
しかし、効果はありませんでした。

翌日も、その翌日も、天候は雨や雪・・・
積雪の笹薮を這って歩いたり、
人造物はかたっぱしからのぞいたり・・・と、
地道に捜索したもののみつかりませんでした。
用事で自宅に戻った数時間の間に、
失踪場所と離れたところでの目撃情報が入るなど不運が続き、
現在に至ります。

捜索は失踪した4月30日以降、連日現地滞在含め、
かなり積極的に行ったつもりです。
しかし、もっと良い方法があったのではと思ったり・・・
前例もきいたことのない捜索だけに、不安はつきません。
救いなのは、地元の協力者に支えていただけること。
顔見知りも増えました。

遠隔地から猫を探しに来ていると言えば、
中には笑う人あり・驚く人あり・呆れる人あり・・・
でも、これまで出逢った半数以上の方は肯定的でした。

そして、話してみると、
意外にも一瞬の隙で愛猫との別れを経験をした人が
少なくありませんでした。

連休中はいろいろな機関が休みで、
協力を求めることもできませんでしたが、
その後、繰り返し足を運んだり電話連絡をするなどして、
一般的なペット捜索でされていることは一通りしてみました。

現在、尽くせる手はほぼ尽くした状態だそうです。
保健所の方には頭が下がるほど心を砕いていただいていますし、
駐在さんからは、
二次災害(とくに人災)を中心とした様々なご心配を
いただいています。
もちろん、地元で出会った数人の方からもご厚意をいただいて、
孤独に陥らずに捜索を続けています。

現在のところ、目撃情報が3件あります。
それらには場所と時間帯に共通点があり、
付近で生存しているとみて探しています。
(半径500m~1km程度のエリアと考えられますが、
キツネなどがいるため、移動している可能性があります。)
昨日も同じ場所を何度もまわったり、
入れる限り藪の中に入ったり山に登ったりしてみましたが、
手掛かりはなく、日没のため打ち切って自宅に戻りました。

都会と違い、動物を虐待する人につかまる可能性は
かなり低いと思います。
今のところキャンパーも少なく、
付近の幹線道路は、車の通りがほとんどありません。
しかし、交通事故は心配です。
(たまに、スピードが半端じゃない車が通るので。)

失踪地点に近いエリアに
野生化した猫が一匹生息していますが(捜索中1回だけ見かけました)、
1年前にその付近で捨てられた猫は、
片道数キロある畑や牧場へ降りたりと、
1年後には姿を消してしまったそうです。
キツネなどの敵も多いため、
生きのびることが出来なかったものもあるのではないかと
地元の人が話してくれました。

このような状況で・・・
日々、生き延びることを祈って暮らしています。
当面は不定期で捜索を続ける予定です。

私の時間は4月30日で止まったままです。
不思議なことに、
自宅に戻ると、ぴりかが嫌っていたお風呂の時計が、
失踪時刻でとまっていました。

もう5月も下旬になってしまいました。

仕事を辞めたからこそできる捜索ですが、
それでも、生きている限りしなければならないこともあり、
遠隔地での捜索には費用もかかり・・・
限界があることを理屈では認識しながらも、
捜索をやめることが永遠の別れにつながると思うと、
そう簡単に限界を設定することができません。
しばらくは・・・
普通じゃない状態が続くものと思われます。

山の中なのでつい大きな声で呼んでしまうのですが、
彼女の今までの暮らしや行動を思うと、
あの地域を楽しんで巡回したほうがいいのかもしれないと
ふと思うことがあります。

夫と私が楽しそうに会話していたりくつろいだりしていると
ふらりとそばに来てまるくなっていたり、
おすわりをしてその場に参加していたりしたから・・・

楽な気持ちで、彼女の生きる力を信じて、
山の自然を楽しめたらいいのですが・・・
とても、そんな大きな気持ちになれない今の私です。

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